診療内容

多焦点眼内レンズとは

多焦点眼内レンズは従来の眼内レンズと違い、遠距離・中間距離・近距離など複数の位置に焦点が合います。

よって遠くの景色も近くのメモにもピントが合うようになります。

 

 

 

多焦点眼内レンズの検査

視力・眼圧・屈折検査・眼底検査・細隙灯顕微鏡検査・角膜内皮細胞検査・眼軸長検査・前眼部OCT・問診・血圧検査など

多焦点眼内レンズの治療

■人工レンズ(眼内レンズ)の3つのタイプ

 

〇単焦点眼内レンズ(保険適応)

眼鏡をかけても構わず、より鮮明な視力を求める方に適しています。

 

単焦点眼内レンズとは、その名の通りピントが1か所だけに合うレンズのことです。
通常、若い頃の人間の目は近くにも遠くにもピントを合わせることができます(調節)。しかし、この単焦点眼内レンズは焦点が1点だけですから、近くか遠くのどちらかに合わせる必要があり、調節ができません。したがって、術後の裸眼での見え方を近くにするか、遠くにするのかについては事前に医師と話し合いの上、決めておきます。
裸眼でピントが合いにくい距離については近視用の眼鏡や老眼鏡で補うことになります。しかし、レンズ代も手術費用も医療費はすべて保険適応ですから、経済的負担は少なくて済みます。

 

〇多焦点眼内レンズ:レンティス コンフォート®(保険適応)

費用を抑えて眼鏡の使用頻度を減らしたい方、日常生活で運転など遠方を重視したライフスタイルの方に適しています。(※新聞や読書などの近くを見る時は、近用眼鏡が必要になります。)

レンティスコンフォートは新しいタイプの多焦点眼内レンズで+1.5D加入の低加入度分節型眼内レンズです。
単焦点眼内レンズに比べ、遠方だけでなく、中間距離も見やすくなる可能性があります。ただし、+1.5D加入の低加入度ですので、近くを見る時には近用眼鏡が必要となります。

ハローグレア現象・コントラスト感度低下の比較
【単焦点眼内レンズ < レンティスコンフォート】

※乱視の強い方、瞳孔の小さい方、眼底疾患・緑内障のある方などは適応にはなりません。

 

〇多焦点眼内レンズ(選定療養)

仕事や趣味、スポーツの際に近くも遠くもある程度眼鏡無しで見たいという方に適しています。

近くか遠くのどちらか1か所にしか焦点合わせなければならない単焦点眼内レンズと違い、多焦点眼内レンズは遠近両用のレンズです。

そのため、近くと遠くの1か所にピントを合わせることができるので(2焦点タイプ、他に中間距離にもピントの合う3焦点タイプもあります)、眼鏡の使用頻度を減らすことができます。選定療養で白内障手術自体は通常の単焦点眼内レンズと変わらず保険適応で行え、多焦点眼内レンズを選択することで増える費用※についてのみ、自費で追加費用をお支払いいただくことで手術を受けることが可能です。
※通常レンズと多焦点眼内レンズの代金の差額+多焦点眼内レンズを使用するにあたって追加される手術前後の追加の検査代金

また、薄暗い場所や夜間にライト等を見ると光の周辺に輪が掛かって見えたり、眩しさを感じたりすることがあります。(ハロー・グレア現象)

コントラスト感度は単焦点眼内レンズに比べ、低下します。

多焦点眼内レンズ手術の流れ

多焦点眼内レンズ手術は混濁した水晶体を吸い取り、代わりに人工レンズを挿入する手術です。
最近では白内障手術の手術時間は10分かからない日帰り手術となりますので、患者様に負担の少ない手術です。

 

  1. 問診
  2. 眼の検査
  3. 眼の診察
  4. 手術

 

術式は黒目近くの白目に2.2mm程度の小さな切開創(小切開自己閉鎖創による無縫合手術)を作り、水晶体の核を超音波で砕いて吸い取ります。
皮質は超音波を当てずに吸い取り、水晶体の嚢のみを残します。その中に眼内レンズを挿入します。眼内レンズは一度入れると、交換の必要なく、一生使用可能です。

■当院は厚生労働省認定 選定療養実施機関です
当院は厚生労働省より「多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術(白内障手術)」を、「先進医療」として実施できる医療機関に認定されていましたが、2020年3月に制度が変更になり、「選定療養」として実施していく事になりました。

多焦点眼内レンズに関わるご質問

  • Q. 白内障は無いのですが多焦点眼内レンズを眼に入れてもらうことはできますか?

    白内障のない患者様にはできません。
    多焦点眼内レンズ治療は白内障の手術です。白内障がなくて、眼鏡なしで遠くも近くも見たいとご要望の方には、遠近両用コンタクトレンズをご案内いたします。

  • Q. 多焦点眼内レンズは普通の単焦点眼内レンズとどのように違うのですか?

    どちらのレンズも白内障手術の時に眼の中に入れる眼内レンズです。
    単焦点眼内レンズは遠方か近方のどちらかに対応のみとなります。そのため、一方を見る際にはメガネが必要になります。乱視のある場合は遠方も近方もメガネが必要です。
    多焦点眼内レンズではメガネ依存が低くなり、ほとんどの場合、メガネが不要になります。

  • Q. 高齢者の場合でも多焦点眼内レンズは可能でしょうか?

    高齢者でも多焦点眼内レンズを選択していただいて問題ない場合がほとんどです。

    以下に列挙することが当てはまる場合は適応を検討する必要があります。担当医とご相談ください。

    1.  瞳孔径が小さい方は多焦点眼内レンズの性能を充分に発揮できない可能性があります
    2.  脳の適応性の問題で多焦点眼内レンズへの適応能力が落ちている場合は、性能を充分に発揮できない可能性があります
    3.  視野が欠けていたり、黄斑変性症で視力が低い場合は多焦点眼内レンズの適応はありません。
    4.  多焦点眼内レンズは光を分散するため100%の光ではありません。神経の衰弱とともに見る力も衰えてくるため、眼鏡をかけて100%の光で見る方が良い可能性もあります。
  • Q. 両眼ではなくて片眼だけ多焦点眼内レンズを眼に入れる事は可能でしょうか?

    片眼のみ多焦点眼内レンズを挿入する場合はよくあります。

    例えば若年者の白内障は片眼のことが多く、片眼のみ手術が必要な場合があります。
    可能な場合は両眼に多焦点眼内レンズを入れることが推奨されています。

堺市東区北野田15-1 ライフ北野田店1F
TEL:072-349-7475

9:00~12:30

15:00~18:30

●休診日:土曜日午後、日曜日、祝日
●コンタクト処方は診察終了の30分前までにおこしください。
また、初めてコンタクトを使われる方は、まず一度診察におこしいただき、後日予約の上処方させていただきます。

●メガネ処方は予約制となっております。
※枠が空いている時は当日受診していただくことも可能ですので、受付にておたずねください。