診療内容

硝子体手術について

眼球の内容は、細かいコラーゲン繊維からなるゲル状の組織で占められており、これを硝子体(しょうしたい)と呼んでいます。角膜・水晶体で屈折を受けて眼の中に入ってきた光は、硝子体を通過して網膜に像を結びます。
カメラに例えると、網膜はフィルムで、水晶体はレンズにあたります。

この網膜の中心部分を黄斑と呼んでおり、良い視力がでるためには黄斑の構造が正常でなければなりません。

黄斑部が何らかの理由で黄斑の構造が崩れると、物がゆがんで見えたり視力が出にくい状態になります。
また何らかの理由で硝子体に濁りが生じると光が網膜まで届かずぼやけたり、視力低下を生じます。
これらの病気が生じた時、硝子体手術という治療法の適応になります。

硝子体手術は通常1~2週間の入院で行ってきましたが、最近の手術器具の進歩は目覚ましく、手術の傷が小さくなり、手術時間も短くなったため、日帰り手術が増えてきています。

日帰り硝子体手術が適応となる疾患について

黄斑上膜

何らかの原因で黄斑の上に膜が張る病気です。この膜が黄斑を引っ張るため、物がゆがんで見えたり、視力が下がります。硝子体手術で膜を取り除きます。

黄斑円孔

黄斑が硝子体に引っ張られることで穴が開く病気です。硝子体を切除した後、目の中にガスを入れて穴を塞ぎます。

黄斑浮腫

糖尿病や、網膜静脈の閉塞、その他の原因によって黄斑に水が貯まる状態(浮腫)になり、視力が低下します。硝子体を除去すると眼内の炎症性物質が取り除かれ、それだけで黄斑の浮腫を軽減させる効果があると言れています。

硝子体出血・硝子体混濁

糖尿病網膜症や網膜静脈閉塞症などが原因で硝子体中に出血や混濁が広がり、網膜まで光が届かなくなります。硝子体手術で出血や混濁を取り除きます。

水晶体脱臼・眼内レンズ脱臼

目の中のレンズの役割をする水晶体や眼内レンズを支える組織(チン小帯)が切れると、レンズがグラグラしたり、場合によっては眼内に外れて落下する場合があります。その際は硝子体手術でレンズを取り除き、新しいレンズを固定します。網膜剥離眼球の内側にある網膜という膜が剥がれて、視力が低下する病気です。網膜の中心部である黄斑部分まで剥がれた場合、急激に視力が低下し、失明に至る恐れもあります。硝子体手術で網膜を引っ張っている硝子体を切除して、網膜裂孔の原因となった網膜けん引をなくしたうえで、網膜を眼球壁に接着させます。

後部硝子体剥離

硝子体は眼球の中にいっぱいにつまっていて、眼底との間には隙間がありませんが、人によっては年をとるにつれて硝子体の中の水分がぬけて量が少なくなり、硝子体が眼底から浮き上がってしまう場合があります。これを後部硝子体剥離といいます。このような症状の場合も硝子体手術の適応となります。

硝子体手術(日帰り手術)

通常、局所麻酔で行い、手術時間は30~60分です。
まず、顕微鏡で観察しながら、眼球に3ヶ所それぞれ0.5mm程度の穴を開け、そこから特殊な器具を眼球内に挿入し、硝子体を細かく刻みながら吸引除去します。硝子体を除去しても、視機能には影響しません。

そして黄斑上膜や黄斑円孔の場合は、黄斑上にある薄い膜を染色液で見やすくして、その膜を取り除きます。

硝子体出血や混濁の場合は、出血原因を熱凝固して止血したり、必要に応じてレーザー光凝固を行います。

手術の最後に、黄斑円孔では硝子体内に特殊なガスを入れます。黄斑円孔以外の病気でも、網膜が破れていたり(網膜裂孔)、網膜がめくれていたり(網膜剥離)するとガスを入れます。ガスは通常1週間程度で吸収されて無くなりますが、その間はうつむきなどの姿勢を保持して頂く必要があります。

硝子体手術後の見えかたについて

硝子体手術は、白内障手術と違って、手術をした翌日から見え方の改善を自覚するものではありません。

黄斑部の疾患の場合、黄斑の形態の改善や視力回復に数か月要することがあります。また、硝子体出血の場合は出血の原因によっては視力回復に時間がかかったり、回復が難しい場合があります。

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