診療内容

当院の緑内障治療について

○緑内障は日本人の失明原因の第一位とされている疾患です

当グループでは、緑内障の進行を防ぎ、失明を予防するために最善の努力を行っています。

緑内障治療において、当院は他の眼科クリニックにも負けない自信を持っています。医療法人史修会(川崎眼科、美原つつじ眼科、光眼科)は、外来診療においても緑内障治療に力を注いでいます。

○早期発見と早期治療が最も有効な手段です

初診の段階から緑内障の疑いがあると判断した場合は、積極的に適切な検査を行い、緑内障の有無や進行度を早期に診断します。

○緑内障は進行性の疾患です。定期的な検査が重要です

当グループでは、眼底所見、視野検査結果、眼圧の3つのパラメータを総合的に評価し、緑内障の進行度を判断し適切な治療を行います。

眼底所見では、視神経乳頭のOCT(光干渉断層計)および眼底カメラによる観察を定期的に行います。
視野検査では、進行を早期に把握できるように、ハンフリー視野検査を適切な間隔で行います。また、BeeFiles for HFAを使用して視野検査結果を解析し、進行度についてご説明します。
視野欠損が進行した場合でも、視能訓練士がゴールドマン視野検査を通じて動的視野を調べ、2つの視野検査結果を組み合わせて治療方針を決定します。

○緑内障治療では、点眼治療が一般的に第一選択です

当院では、緑内障対策のために視神経に栄養を与えるサプリメント治療も実施しています。
点眼治療が緑内障コントロール不十分と判断した場合はSLT(緑内障レーザー治療)を併用いたします。

緑内障の患者様には眼内からアプローチする線維柱帯切開術も多数実施し、眼圧のコントロールを行っています。

 

当グループでは、緑内障治療において患者様一人ひとりに病気の進行度や症状に応じて、最適な治療法の選択し、個別の治療プランを立案し患者様の視力と眼の健康を最大限に保つために努めています。

緑内障は進行性の病気であり、早期の治療と定期的なフォローアップが重要です。

ご不明な点や疑問点がありましたら、いつでもお気軽にご相談ください。当院の経験豊富な眼科専門医が、最善の治療とサポートを提供いたします。

緑内障とは

日本緑内障学会ガイドラインにおいて、緑内障は「視神経と視野に特徴的変化を有し、通常、眼圧を十分に下降させることにより視神経障害を改善もしくは抑制しうる眼の機能的構造的異常を特徴とする疾患である」と定義されています。

緑内障とは、視神経の形状(視神経乳頭の形)と機能(視野欠損)の特徴的な変化から診断されます。

緑内障の治療では、眼圧を下げることが進行を遅らせるための重要な要素となります。

緑内障の症状

緑内障では進行している場合でも、ご本人は全く無症状と感じている場合があります。

緑内障の自覚症状としては、見えない部分(暗点)が出現する、又は見える範囲の視野が狭くなると感じる症状が最も一般的です。

日常生活では、両眼で見ておりますし、通常は緑内障の進行は緩やかなので、初期は視野障害があっても自覚の無いことがほとんどです。

急激に眼圧が著しく上昇して短時間で視野を失う急性緑内障発作は、眼痛または頭痛、充血、視力低下に加えて吐き気を自覚することもあります。

 

緑内障の視野検査。緑内障に特徴的な弓状暗点と耳側視野欠損を認める。

緑内障の視野検査。 緑内障に特徴的な弓状暗点と耳側視野欠損を認める。

 

緑内障の主な原因

眼圧は緑内障と切っても切れない関係にあります。眼圧は目の中を循環する房水の産生と排出のバランスによって決まります。

房水は毛様体で作られて、虹彩の裏を通って瞳孔から前房に至ります。隅角にある線維柱帯からしみ出してシュレム管から眼外へ排出されます。この様に房水の産生と排出の循環によって、ほぼ一定の圧力が眼球の形状を保ちます。この眼球を一定の形に保つ圧力のことを眼圧と呼びます。

 

眼圧が異常に高くなることで、一番繊細な部分の視神経が障害される

眼圧は「房水」という目の中を循環する液体の産生と排出のバランスによって決まります。
房水は図1に示されているように、毛様体という組織で作られて、虹彩の裏を通過して前房に至り、線維柱帯を経てシュレム管から排出され、眼外の血管へ流れていくという定まった経路で循環しています。この房水の循環によって、ほぼ一定の圧力が眼内に発生し眼球の形状が保たれます。
この圧力のことを「眼圧」と呼びます。つまり、眼圧とは、眼の硬さであるといえます。

図1.房水

図1.房水

 

緑内障は大きく二つに分類されます。

(1)原発開放隅角緑内障(図2)

線維柱帯(とその奥にあるシュレム管)と呼ばれる場所が目詰まりを起こし、うまく房水が流出されないために眼圧が上昇すると考えられています。
原発とは、「誘因となるほかの病気がないにもかかわらず」という意味を表します。隅角とは、線維柱帯を含めての房水の流出路の場所で、角膜と虹彩の間を指す専門用語です。
つまり、この病名は、「ほかの病気のためではなく(原発)」、「隅角が見かけ上開放されているのに(開放隅角)」、視神経が障害される緑内障であることを意味しています。

このうち、眼圧がいわゆる正常範囲にありながら視神経が障害されるタイプの緑内障を正常眼圧緑内障といいます。
正常眼圧緑内障では、視神経の血液循環が悪かったり、遺伝や免疫、酸化ストレスなどのいろいろな原因のために、通常では緑内障を起こさない程度の眼圧でも視神経が障害されるのではないかと考えられています。また、正常眼圧緑内障の患者さんには高齢者が多く、近視の頻度も高いことから、加齢や近視もリスク要因であると考えられています。

図2.原発開放隅角緑内障

図2.原発開放隅角緑内障

 

(2)原発閉塞隅角緑内障

原発閉塞隅角緑内障とは、「ほかの病気のためではなく(原発)」、「隅角が狭くなり(狭隅角)(図3)、ついには閉じてしまう(閉塞してしまう)(図4)ために」、房水の流出が障害され眼圧が上昇する緑内障であることを意味します。

原発閉塞隅角緑内障では、急速に隅角が閉じてしまうことで、劇的で著しい眼圧上昇を来すことがあり、これを一般に急性緑内障発作と呼びます。上記のように、急性発作では、眼痛、頭痛、吐き気などの激しい自覚症状が出現します。

図3.狭隅角

図3.狭隅角

 

図4・閉塞してしまう

図4・閉塞してしまう

緑内障の検査

緑内障の検査は、眼圧検査・隅角検査・眼底検査・光干渉断層計(OCT)・視野検査を行い、病状の評価や進行経過を確認します。

緑内障の眼底写真。視神経乳頭の陥凹拡大と神経線維の欠損を認める。

緑内障の眼底写真。視神経乳頭の陥凹拡大と神経線維の欠損を認める。

 

緑内障の眼底写真。下方に乳頭出血を認める。

緑内障の眼底写真。下方に乳頭出血を認める。

緑内障の治療方法

緑内障の治療は眼圧を下げることです。

ひとたび障害されてしまった視神経は、残念ながら回復することはありません。また、どんなに手を尽くしても進行を止められない緑内障もあります。

緑内障治療の目的は進行を止める、または遅らせることであり、回復させるものではありません。

治療方法としては、薬物療法・レーザー治療・手術があります。

(1)薬物療法

多くの緑内障では、薬物療法が基本的な治療法となります。現在では、様々な薬効を持つ点眼薬が利用されており、緑内障の種類、重症度、眼圧の状態に応じて処方されます。一つの点眼薬のみでは効果が不十分な場合には、複数の点眼薬の併用が行われます。
点眼は1回につき1滴を目にさし、複数の点眼薬を使用する場合は5分以上の間隔をあけることで、なるべく副作用を少なくして、確実に効果を得る点眼方法です。

また、眼圧を下げるための内服薬も存在しますが、全身的な副作用が強い場合や個人の状態によっては使用できない場合もあります。

目薬は病状を維持するために重要ですので、症状の改善が見られない場合でも、継続して使用することが重要です。

(2)レーザー治療

レーザー治療には主に2つの方法があります。一つは、虹彩(通常、茶目と呼ばれる部分)に穴を開けて房水の流れを変える方法で、多くの閉塞隅角緑内障に対して有効です。虹彩に孔を開けるときにレーザーを使用します。

もう一つはは線維柱帯にレーザーを照射し、房水の排出を促進する方法で、一部の開放隅角緑内障に効果があります。

レーザー治療の痛みは極軽度で外来で行うことができます。

(3)手術

薬物療法やレーザー治療が効果が見られない場合には、手術が検討されます。

手術には大まかに2つの方法があります。一つは眼内に細工を加えて房水の排出を促す手術であり、もう一つは線維柱帯を切開して房水の排出を容易にする手術です。
また、房水の排出を改善するための装置を留置する手術法も開発されています。これらの手術方法は、患者様の具体的な症例に応じて選択されます。

手術を行っても症状の改善を保証するものではなく、主な目的は眼圧を下げて緑内障の進行を抑制することです。

緑内障の手術方法は年々改善されており、治療成績も向上してきました。しかし、手術には合併症のリスクが存在し、術後に再手術が必要となる場合もあります。

また、手術後でも定期的なフォローアップと管理が重要です。

患者さんの緑内障治療継続をサポートするためにお役立ていただけるパッケージ「ACT Pack®」を導入しています。

「ACT Pack®」
・病状説明書
・小冊子
・眼圧記録カード

緑内障に関わるご質問

  • Q. 眼圧が下がったた緑内障点眼をやめていいですか?

    点眼薬を中止すると再び眼圧が高くなるので緑内障が進行します。緑内障の点眼治療は継続するようにしてください。

  • Q. 緑内障点眼薬で眼の周りが黒くなってきましたが、大丈夫ですか?

    緑内障点眼薬によって目の周囲の皮膚が色素沈着を生じることがあります。

    点眼薬使用後にお風呂に入ってよく洗う、または点眼薬使用後に濡れタオルで目の周りを拭くことで軽減することができます。

    それでも気になる時は他の点眼薬に変更できるかどうかを担当眼科医に相談してください。

  • Q. 緑内障について、血圧が高いと眼圧も高くなりますか?

    眼圧と血圧は直接には関係ありません。
    起立性低血圧の患者様、睡眠時無呼吸症候群の患者様に緑内障が合併しやすいと報告されています。

  • Q. 緑内障点眼薬をさし忘れることがありますが、大丈夫でしょうか?

    点眼薬をやり忘れると眼圧が上がることがあるため、忘れないようにしてください。
    点眼回数が多くて大変な場合は合剤に変更することで点眼回数を減少させることができます。ご相談ください。

  • Q. 緑内障は目薬(点眼治療)でも治るのでしょうか?

    一度緑内障になると「治る」ことはありません。緑内障で失われた視野は回復しません。点眼治療は、病気の進行を食い止めるために続けて行くものです。しかし、多くの患者さんは、この点眼治療を続けることで、健常な方と同じような生活を送っていらっしゃいます。

  • Q. 緑内障が進行すると失明する可能性はあるのでしょうか?

    日本人の中途失明の原因疾患の第1位は緑内障です。
    ただし、早期発見・早期治療すればそうした事態を避けることは可能です。

    緑内障が進行していても、片方の眼が見えているので、そのまま放置する方もおられます。「片方の眼の視野が狭くなっている」方は、もう片眼も、相応に緑内障が進行している事が多く、そうなると治療しても思うような結果が得られないことがあります。

  • Q. 緑内障は手術で治せますか?

    手術治療も、点眼治療同様に、進行を遅らせ、視野が狭くなるスピードをゆっくりにするしかできません。

    失った視野を取り戻したり、緑内障の管理から解放されるものではありません。 ただし、手術により、点眼数を減らせるケースもあります。

  • Q. 緑内障は胃腸薬・風邪薬などを飲まない方が良いと聞きました

    緑内障の病型によりますが、ほとんどの方が開放隅角緑内障というタイプで、胃腸薬・風邪薬を服用しても問題ありません。

    閉塞隅角緑内障というタイプの方は多くの薬に注意が必要です。
    閉塞隅角緑内障タイプは場合によっては緑内障発作が起きてしまうことがありますが、レーザー治療白内障手術によって、緑内障発作が起きないように予防することが可能です。
    緑内障の病型がどちらのタイプかは医師にご相談ください。

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  • ●休診日:祝日
  • ●土曜、日曜日の午後の診察時間は13:45~17:30です。
  •            
  • ●コンタクト処方は10時以降です。診察終了の30分前までにおこしください。
    また、初めてコンタクトを使われる方は、まず一度診察におこしいただき、後日予約の上処方させていただきます。
  • ●メガネ処方は予約制となっております。
    ※枠が空いている時は当日受診していただくことも可能ですので、受付にておたずねください。